流域治水
- 流域治水とは、気候変動の影響による水災害の激甚化・頻発化を踏まえ、堤防の整備、ダムの建設等の対策のみならず、集水域から氾濫域にわたる流域に係わる、あらゆる関係者が水災害対策を行うことです。
- 流域治水の取組の推進にあたっては、全国の一級水系と二級水系において「流域治水協議会」が設立され、その中で「流域治水プロジェクト」が策定され、取組が進められています。
「吉野川水系流域治水プロジェクト」
- 一級水系の吉野川においては、「吉野川流域治水協議会」が設立し、その中で「吉野川水系流域治水プロジェクト」が作成され、吉野川の流域治水の取組が進められています。
- http://www.skr.mlit.go.jp/tokushima/yoshinoriver/ryuiki_pro/ryuiki_pro.htm
「那賀川水系流域治水プロジェクト」
- 一級水系の那賀川においては、「那賀川流域治水協議会」が設立し、その中で「那賀川水系流域治水プロジェクト」が作成され、那賀川の流域治水の取組が進められています。
- https://www.skr.mlit.go.jp/nakagawa/committee/flood-control.html
「徳島県の二級水系の流域治水プロジェクト」
- 徳島県が管理する二級水系の河川においては、「徳島県東部流域治水協議会」と「徳島県南部流域治水協議会」が設立され、その中で、二級水系の各流域治水プロジェクトが作成され、徳島県の二級水系の流域治水の取組が進められています。
- https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kendozukuri/kasen/5049660/
「防災を動画で学ぼう!」
- 防災気象情報を身近に感じてもらえるよう、徳島地方気象台が防災に関する動画を配信しています。
- 動画は、雨による災害の5段階の警戒レベルについての説明と、その警戒レベルを色分けして表示するツール「キキクル」について説明した「警戒レベルとキキクルのポイントについて」と、「キキクルの使い方」についての2つの動画が配信されています。
- 「キキクル」は、スマホからでも確認でき、自分がいる場所の警戒レベルをリアルタイムで確認できることから、いち早く、その場の警戒レベルを確認する際に有効です。
- https://www.jma-net.go.jp/tokushima/shosai/douga/douga.html
「四国防災八十八話倶楽部」
- 四国の防災に関係する様々な情報や教材が紹介されています。
- 教材では、四国各地に残された災害(洪水、土砂災害、津波、渇水等)に関する先人の、知恵や伝承が、親しみやすいイラストでまとめられた「四国防災八十八話マップ」や、「災害伝承カルタゲーム」といった教材が紹介され、教材のデータは、閲覧・ダウンロードができるようになっています。
- https://shikokubousai88wa-t.amebaownd.com/
「徳島県での田んぼダムの取組み」
- 「田んぼダム」とは、水田の落水口に流出量を抑制するための堰板や小さな穴の開いた調整板などの器具を取り付けることで、水田に振った雨水を時間をかけてゆっくりと排水し、水路や河川の水位の上昇を抑える水管理の事。「田んぼダム」を実施することで、地域やその下流域の湛水被害リスクを低減させることができるとされています。
- 徳島県では、美馬市美馬町と阿南市長生町にて、「田んぼダム」の取組みが進められています。
「徳島県立農林水産総合技術支援センター」の刊行物・報告資料
徳島県立農林水産総合技術支援センターで行われている研究の中から、気候変動への適応策と関連のある成果を以下にご紹介します。
- 「近年のフエダイ科、フエフキダイ科の増加について」(2023年度)
- 「高水温耐性ワカメ「鳴門椿」の品種改良」(2022年度)
- スダチ新品種「勝浦1号」の品種登録出願の公表について (2021年度)
- レンコン新品種’阿波白秀’の育成とその特性 (2021年度)
- 徳島発早期収量の多いイチゴ新品種(阿波ほうべに)育成(2017年度)
- 抗酸化力を活用した阿波畜産ブランド供給技術の確立(夏季の暑熱対策)(2017年度)
- なし新品種の育成によるブランド力の向上(2016年度)
- 小松島市和田島地区のワカメ産地強化に向けた生産技術の開発(2016年度)
- 温暖化により増加したキノコ害虫の総合防除技術の開発(2015年度)
- 温暖化に対応できる水稲栽培技術の開発(2015年度)
- 冷却水を活用した「鶏舎クールシステム」の構築(2015年度)
- 「鳴門わかめ」早生新品種の開発(2015年度)
「藻場をおこす、未来をつくる。~藻藍部の取り組み~」
- 高度経済成長期の開発や、地球温暖化などを背景として、アイゴ等の植食性動物の過剰な食害(食圧)により、全国の藻場は過去に比べて大きく減少しています。徳島県美波町日和佐漁協の海域においてもこの20~30年で藻場が急速に衰退し、その主要因は、アイゴやブダイ等の草食魚による食圧によるものと調査により解明されています。
- こうした背景から、美波町と三井共同建設コンサルタントは、藻場の再生に取組む「藻藍部プロジェクト」を発足。2023年8月には、日和佐町漁業協同組合と三井共同建設コンサルタントが設立発起人となり、「一般社団法人藻藍部(もあいぶ)」を設立し、行政と民間企業、漁業関係者、小松島西高等と連携し、アイゴなどの海藻の食害魚を使った地場産品の開発や藻場育成に取り組んでいます。
- 海藻の食害魚を使った地場産品の開発では、地域の提携企業や小松島西高と連携し、アイゴを使ったフィッシュカツや竜田揚げ等が開発され、イベント等で販売されています。
- 藻場育成では、徳島県内で発生する廃棄物(しいたけ廃菌床、ウニ殻、酒粕)を用いて、窒素・りん・鉄等の海藻の生育に必要な栄養塩供給を行う予定としています。廃棄物を資源循環させて、「有物価」として再生し、藻場の増殖を目指しています。
- 藻場などの海洋生態系に取り込まれた炭素を「ブルーカーボン」と呼びます。二酸化炭素を吸収・固定することで、地球温暖化対策に有効とされています。減りゆく藻場を再生することにより、温室効果ガスの吸収源を増やし、地球環境全体に影響をもたらすことも大きな狙いとしています。
- 「一般社団法人藻藍部」のウェブサイトに、上記に関わる様々な取組が紹介されていますので、是非、ご覧ください(以下、URLです)。
- https://moaibu-assoc.com/
「徳島県での熱帯性果樹バナナの栽培」
- 株式会社スロースは、徳島市名東町にて、熱帯性果樹であるバナナの栽培に取り組まれています。「自分の子どもに安心して食べさせられるバナナって、あるんだろうか?」という問いから、バナナ栽培を始められました。
- バナナの栽培にあたっては、化学農薬・化学肥料を栽培期間中いっさい使用せず、また、遺伝子組換えやゲノム編集もしておりません。未来を担う子どもたちに安心して食べてもらいたいという願いを込めて、「22世紀バナナ」と命名されています。※化学農薬・化学肥料は、その製造時に化石燃料を使用するため、化学農薬・化学肥料の使用を無くすことは、地球温暖化の原因となるCO₂の排出削減となるため、地球温暖化の防止に貢献します。
- https://22banana.com/
「徳島県立博物館」の刊行物・報告資料
徳島県立博物館の調査研究資料の中から、気候変動への影響により分布が拡大してきている生き物や、それによる影響(農作物への影響等)を記載した資料を以下にご紹介します。
「地域適応コンソーシアム事業成果」
- 2017年度から2019年度の3年間、環境省と農林水産省、国土交通省が連携して「地域適応コンソーシアム事業」を実施しています。
- この事業では、全国を6つの地域に分けて、各地域のニーズに沿った気候変動影響に関する情報の収集・整理を行い、地方公共団体や大学、研究機関など地域の関係者と連携しながら、具体的な適応策の検討を進めています。
- 中国四国地域では、6つの調査研究が行われており、徳島県では「生態系を活用した防災・減災適応策の検討」が実施されています。
- https://adaptation-platform.nies.go.jp/conso/adaptation/chugoku-shikoku/index.html