適応策って何?
毎年のように大きな被害をもたらしている豪雨や台風。
猛暑日が当たり前のように続く夏。
地球温暖化による気候の変動は既に現実のものとなり、私たちの生活を脅かしはじめています。
例えば、地球温暖化が最も進行した場合、20世紀末と21世紀末を比較すると・・・
- 徳島県では年平均気温が約4℃上昇し、現在の種子島より高くなります。
- 徳島市では猛暑日が45日程度増加します。
- 徳島県では1時間降水量50mm以上の発生回数が約1.8倍になります。
- 徳島県では雨の降らない日数も増加します。
参考:徳島地方気象台「徳島県の21世紀末の気候」
https://www.data.jma.go.jp/osaka/kikou/ondanka/leaf_old/tokushima_21.pdf
このような地球温暖化の影響を「緩和」するため、温室効果ガスの排出量を減らすこと(緩和策)は、とても大切なことですが、それと同時に、たとえ温室効果ガスの排出を減らしたとしても避けられない影響に備えて、それを少なくしたり、回避したりすること(適応策)が大変重要になっています。
具体的には?
では、具体的に私たちは何をすればいいのでしょうか。
災害に備えよう!
- 頻発する豪雨や大型化する台風に備えて、気象情報の内容をきちんと把握することや、家族でハザードマップ(洪水被害予測地図)を確認したりすることが、ますます大事になっています。
暑さに備えよう!
- 熱中症にならないように、帽子をかぶったり、こまめに水分を取ったりすることは、今後、夏の暑さがより一層厳しくなることが予想されるので、とても大切になります。
温暖化に適応した農水産物の普及を進めよう!
- 高温に強いお米やいちご、高い水温に適応したワカメなど、徳島県でも既に温暖化に適応した農水産物の栽培や普及が始まっています。地元で栽培されたこれらの農水産物を応援することも、私たちにできることの一つです。
新しい社会を作ろう!
適応策は、地球温暖化による気候の変動に対して応急的に対処するだけの「後ろ向き」の施策だけではありません。地域の実情に応じた気候変動への「適応策」を進めることは、結果的に他の地域課題の解決につながったり、新しい社会を作っていったりすることにつながります。
例えば・・・
- 気候変動に適応した新しい農水産物を導入することで、地域に新しい産地をつくることができます。
- 猛暑を逆手にとって、例えば猛暑用の住宅素材を新たに開発するなど気候変動に対応した新しいビジネスを始めることができます。
- 水災害に強いまちづくりを進めることで、結果として地域のつながりを強めることができます。
それと同時に、適応策は、温室効果ガスの排出量を減らす「緩和策」と一緒に実施しながら、手戻りがないように進めることも大切です。
例えば・・・
- 自分の住む地域に自然エネルギーを導入すること(緩和策)で、災害の時に使える電源を確保すること(適応策)ができるようになります。
- 緑のカーテンを作ったりクールシェアを進めたりすること(緩和策)で、猛暑のときの熱中症対策を進めること(適応策)ができます。
皆さんも、気候変動に適応した「新しい社会」のあり方について考えて、一緒に実行してみませんか。